読書日記302:無貌伝 ~双児の子ら~ by望月 守宮



タイトル:無貌伝 ~双児の子ら~
作者:望月 守宮
出版元:講談社
その他:

あらすじ----------------------------------------------
人と“ヒトデナシ”と呼ばれる怪異が共存していた世界ー。名探偵・秋津は、怪盗・無貌によって「顔」を奪われ、失意の日々を送っていた。しかし彼のもとに、親に捨てられた孤高の少年・望が突然あらわれ、隠し持った銃を突きつける!そんな二人の前に、無貌から次の犯行予告が!!狙われたのは鉄道王一族の一人娘、榎木芹ー。次々とまき起こる怪異と連続殺人事件!“ヒトデナシ”に翻弄される望たちが目にした真実とは。第40回メフィスト賞受賞作。


感想--------------------------------------------------
先日メフィスト賞受賞作「琅邪の鬼」を紹介しましたが、本作もメフィスト賞の受賞作です。続けて読んでみました。

人の顔を奪う怪異”無貌”によって顔を奪われた探偵:秋津とその助手:望。二人は無貌からの犯行予告が届けられた鉄道王:榎木家に向かう—。

舞台は日本に類似した架空の国、時代は戦後間もなく、場所は古くから続く旧家、そしてその旧家を舞台に起こる連続殺人事件—。金田一シリーズや三津田信三さんの作品を思い起こさせる設定ですが、ヒトデナシと呼ばれる怪異が存在したりとテイストはライトノベルチックです。

ストーリーはよく練られているなあと感じました。ヒトデナシを絡めたトリックもうまいし、またラストの見せ方もうまいです。(ただ、個人的には後日譚はいらず、エピローグで終わった方が良かった気もしますが。)ヒトデナシという怪異もうまく使っているし肝となるキャラクターも個性的です。「無貌伝」というタイトルのわりには”無貌”は脇役という印象ですね。ヒトデナシという怪異が存在する世界をうまく使った個性的な作品だなあと感じました。

一方で表現はもう少しかなあ、という印象です。読んでいてとにかく冗長に感じました。心情描写や語りの部分がとても長く、途中から飛ばし読みに近い速度で読みました。三分の二くらいの長さにできるのではないかな、と思います。あと、本書を読んでいて思ったのですが、登場人物の心理描写表現が多いのですが、逆にそれが登場人物をどこか非人間的に感じさせてしまいます。わざとらしいというか、「本当の人間はこんな風に考えるだろうか?」と思ってしまうところが多いです。小説の登場人物、というよりもアニメの登場人物に近いかなあ、って思いました。ラノベと思えば気にならないかもしれませんが。あと登場人物的には秋津がいまいちなのが少し残念でしたね。


あとは、やはり「人」の描き方でしょうか。多くの言葉や文章を費やすよりも、たった一文の方がその人を正確に表現できることもあるなあ、なんて考えてしまう本でした。ラノベミステリーと思えばいいかもしれません。

総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):B


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