2011年02月02日

読書日記252:フリーター、家を買う。 by有川浩



タイトル:フリーター、家を買う。
作者:有川浩
出版元:幻冬舎
その他:

あらすじ----------------------------------------------
「母さん死ぬなー」へなちょこ25歳がいざ一念発起!?崩壊しかかった家族の再生と「カッコ悪すぎな俺」の成長を描く、勇気と希望の結晶。


感想--------------------------------------------------
有川浩さんの作品は久しぶりに読みました。本作はついこの前までテレビドラマとしても放映されていましたのでご存知の方も多いのではないでしょうか。

新入社員として入社した会社を三ヶ月で辞めてフリーターとなった武誠治は母親の病気をきっかけに真剣に働くことを考えていく−。

読み始めてすぐに感じた印象は、「有川浩さんの作品らしくない作品だな」というものです。代表作である「図書館戦争」シリーズや「阪急電車」などはどちらかというとラブコメチックな軽いノリの作品でしたが、本作は冒頭、非常に暗い立ち上がりを見せます。会社を辞めてフリーターとなった誠治、近所付き合いや家庭内のいざこざのストレスが溜まって重度の鬱病となった母親:寿美子、身勝手な言動ばかり見せる父親:誠一。崩壊寸前のこの家庭の姿は、しかし実は現代に良くある家庭の一つの姿なのかもしれません。

一家はここから姉:亜矢子の登場により徐々に徐々にと繋がりを取り戻し、相互に理解を持つようになっていき、自分達の姿を省みて反省し、前へと進んでいきます。この描き方は、「ここまでうまくはいかないだろう」と思ってしまうのですが、この作者ならではの甘くはありますが読み手を惹き付ける描き方が非常に生きていると思います。このあたりの描き方は「図書館戦争」シリーズなどに共通していますね。

主人公である誠治も心構えを改めて奮闘し、どんどん前に行きます。繰り返しになりますが、ここの描き方は非常に甘いと感じます。世の中、心構えを変えたからといって全てがこんなにうまく回ることはないだろう、と穿った見方もしてしまいます。しかし、ここが有川浩さんのうまいところなのですが、穿った見方をしつつもいつの間にか読み手は主人公の応援をしつつ、ハッピーエンドを期待しているんですね。そして、その期待に違わぬ形で物語を締めていくうまさ。このあたりはさすがですね。最後は有川浩さん得意のラブコメチックな展開も織り交ぜていて、読み終わった時には「ああ有川浩さんの作品だ」と感じさせます。うまいです。

ドラマは私は少ししか見ていませんが、主人公の誠治を演じる二ノ宮くんは合っているな、と感じました。また父親役の竹中直人さんや母親役の浅野温子さんもいいと思います。ただし姉の亜矢子役の井川遥さんと真奈美役の香里奈さんはちょっと原作のイメージよりも美しすぎますね……。やや浮き気味だと感じました。

先日、本屋大賞の候補作品が発表されましたが、有川浩さんの作品は「キケン」と「ストーリー・セラー」の二冊も候補にリストアップされています。非常に売れている作家さんだということがわかります。……そのうち直木賞も受賞されるのでしょうかね。女性のライトノベル作家ということでは桜庭一樹さんが受賞されていますし、直木賞受賞もあり得る気もします。どんどん作品が刊行されて何を読もうか迷うところですがまた何か読んでみたいと思います。


総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):A


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posted by taka at 21:39| Comment(0) | TrackBack(2) | 有川 浩 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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