読書日記250:猫物語 (白) by西尾維新



タイトル:猫物語 (白)
作者:西尾 維新
出版元:講談社
その他:

あらすじ----------------------------------------------
君がため、産み落とされたバケモノだ。
完全無欠の委員長、羽川翼は二学期の初日、一頭の虎に、睨まれた-。
それは空しい独白で、届く宛のない告白…
<物語>シリーズは今、予測不能の新章に突入する!



感想--------------------------------------------------
出せば必ずオリコンの売り上げランキング上位、西尾維新さんの作品です。三か月に一冊ずつ刊行していく新シリーズの二作目です。どうやら正確には本作「猫物語(白)」からが新シリーズとなるようですね。

絶対無比、完璧なる委員長、羽川翼はある日、一頭の虎と出会ったー。

いいですね、相変わらず西尾維新さんの持ち味、全開です。
「物語」シリーズはこれまでは全ての作品が主人公の阿良々木暦の視点から語られていたのですが、本作は完全無欠の委員長、羽川翼の視点から物語が語られていきます。そしてさらに、本作は「二学期の初日」を舞台としており、これまでの作品よりも時間的に進んでいます。つまり、これまでの物語よりも未来の話を扱っています。過去に遡って展開される話が多かった本シリーズですが、とうとう物語も新しい局面に入るのですね。

本作はこれまでと違って羽川翼という女子生徒の視点で語られているため、物語の展開がこれまでの作品よりも随分としっかりしているような気がします。語り部の羽川翼が真面目な委員長キャラなので必然的に物語もしっかりとしてくるのでしょうね。また阿良々木暦以外はほぼ女子キャラしかいない本シリーズで、女子が語り部になることでだいぶこれまでのヤバさがなくなっています。これも特筆すべき点かと思います。まあ、女子同士の会話の中にもだいぶヤバさが垣間みられますが・・・。
本シリーズはその会話のヤバさが売りの一つなので、そこを目当ての人にはこれまでの作品よりもがっかりするかもしれません。

本作は一言で言ってしまうと羽川翼の成長の物語ですね。
戦場ヶ原ひたぎをして「化物」と言わしめた翼。その「化物」になった理由と、本当の自分を取り戻すまでの物語です。これまでのシリーズ作品の中でもかなりすっきりと終わった作品なのではないでしょうか。読んでいて素直に面白かったです。

個人的には戦場ヶ原ひたぎが久しぶりに大いに活躍しているので、楽しく読むことができました。(「更生した」と言う割にはあまりキャラクターが変わっていない気がしますが・・・。)あと阿良々木暦、かっこ良すぎですね。台詞を読んで、思わずワンピースの赤髪のシャンクスを思い出しました。成長したものだ・・・。

次回作以降もきっと阿良々木暦ではなく、各物語の主役となる女子目線で語られるのではないでしょうか。次の「傾物語」ももうでていますね。読む予定です。

総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):A


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