読書日記202:クラウド・コンピューティング by西田 宗千佳



タイトル:クラウド・コンピューティング ウェブ2.0の先にくるもの
作者:西田 宗千佳
出版元:朝日新聞出版
その他:

あらすじ----------------------------------------------
「世界にコンピューターは、5台あればいい」プログラムもデータも、すべてをネットの雲(クラウド)で処理する新しいコンピューティング。ウェブ2.0も乗り越え、既存メディアやビジネスの前提を覆すそのインパクトを、気鋭のジャーナリストが活写する。


感想--------------------------------------------------
最近話題の言葉「クラウド・コンピューティング」。ITに詳しい人でなくても、その言葉を聞いたことがある人は増えているのではないでしょうか。私もその言葉や大まかな概念は知っていましたが、もう少し詳しく知りたいと思って本書を読んでみました。

クラウドとは簡単に言ってしまうと、「これまで手元のパソコンで使っていたアプリをネットの向こうに置く」ということです。ネットの向こうに広がる無数のサーバーやデータベースを雲(クラウド)とみなして、手元にアプリケーションやデータを置くことなく、様々なアプリやデータを使うことができます。メールを例に取ると、アウトルック・エクスプレスとGメールの違いと言うと分かり易いのではないでしょうか。

本書ではソフトウェアのあり方の変化や、携帯とパソコンの違い、今やあちこちで使われているiPhoneなどを紹介しながらとても分かりやすくクラウドの概念を紹介しています。著者が非常にITに精通していることが分かりますね。ITの初心者の方でも分かるように書かれていますし、上級者の方でも知らないような内容も書かれています。

本書のサブタイトルとして、「ウェブ2.0の先にくるもの」というサブタイトルがついていますが、ウェブ2.0という概念については全く触れられていません。この「ウェブ2.0」に興味のある方は「ウェブ進化論」を読むことをお勧めします。また、専門書ではなくあくまで入門本、と位置づけた方が良いかと思います。ですのでクラウド・コンピューティングの専門的な内容、詳細を知りたい、という方にも向いてはいません。逆に概念を知りたいという方にはとても向いている本ですね。

本書を読むと、「クラウド・コンピューティング」という名前こそ新しく出てきた名称であるものの、考え方自体は古くからあるものであることが分かります。これまではローカルのパソコンに様々なアプリケーションやデータを入れて持ち歩く時代でしたが、これからはセキュリティや費用対効果、効率の観点からこのクラウド・コンピューティングがどんどんと加速していくでしょうね。クラウドを推進し、大規模な設備を整備しだしているIT系企業が国内でも増えています。まずは大規模データを扱う企業や、高性能マシンが必要とされるコンピュータシミュレーションを行なう企業、大学機関が中心となってくるかと思いますが、そのうち個人のデータ管理の概念も変わってくるのではないでしょうか。
この「クラウド・コンピューティング」はまさにこれからの時代の技術であり、門戸は大企業から個人にまで開かれているため、様々なビジネスチャンスを提供するものでもあると思います。今後の動向が注目される技術の一つだと思います。クラウドを足がかりに第二のグーグルのような企業も出てくるかもしれませんね。


総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):A


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