2010年03月17日

読書日記190:クーリエジャポン4月号



タイトル:COURRiER Japon ( クーリエ ジャポン ) 2010年 04月号
作者:
出版元:講談社
その他:

あらすじ----------------------------------------------
◆世界の「食糧争奪」戦争 そして、誰も食べられなくなった
・人口増加に気候変動・・・「食欲」から地球を守れるか
・世界が海を食い尽くす!マグロ絶滅へのカウントダウン
・フィレオフィッシュの原料が深海で静かに減っていく
・””飢餓の時代”” に備えて 過熱する「農地争奪」戦争
・「見た目」で農作物を処分する ””もの捨てる人々”” の罪
・あの「枯葉剤」の巨大企業が遺伝子組み換えで人類を救う!?


感想--------------------------------------------------
 クーリエジャパン4月号です。今回は献本ではなく自分で買ってみました。今回の特集は食料問題です。しかし、今号で私が最も注目したのはこの記事ではありません。その前に書かれた「トヨタ「本当の評判」」と題した今回のトヨタのリコール問題を世界各国のメディアの目を通して見た記事です。

 「トヨタ自動車「本当の評判」」と題された本記事で取り上げられている記事は全部で十編。記事は震源地のアメリカを始め、日本、カナダ、ロシア、シンガポール、スペインと世界各国から集められています。記事を読む限り、トヨタバッシングは、世間で言われているようにアメリカの自動車会社や労働組合、政治家の利害が一致した結果、あのような過激な形になっているようです。

 トヨタバッシングの原因は正確にはわかりません。しかし、多くの記事で言われているのは、「トヨタは今後、深刻な状況に直面するだろう」ということです。「ブランドが最大のダメージを被るのは、ブランドが体現してきた価値を直撃する危機が起きた時だ」。本記事の中で最も印象に残った、英国のオブザーバー紙に寄せられた寄稿の言葉です。トヨタは「品質」で欧米の様々なメーカーとの競争に打ち勝ち、大きな利益を上げてきました。しかしその「品質」を脅かす問題が発生している今、トヨタはやはり危険な状況にあるようです。

 また同時に気になったのは、「なぜトヨタはアメリカであそこまで叩かれることになったのか?」ということですが、これは品質問題だけではなく、トヨタがアメリカの政治・経済界に適切な根回しを行ってこなかったことも根底の原因としてあるようです。こういった点が重視されるのは日本もアメリカも変わりませんね。
アメリカでのトヨタの最大のライバルであるGMはいまや国有化されており、まさにアメリカを象徴する企業となっています。従ってGMとアメリカ政府は密に連携していると想像でき、この点もトヨタに取っては不利なのでしょう。またこのGM vs トヨタという構図はそのままアメリカ vs 日本という構図に置き換えやすく、その点ももしかしたらアメリカ人の国民感情を逆撫でしているのかもしれません。何にしろ、今後のトヨタの動向には注目です。

 今回のこの記事の優れている点は、世界の様々な国のメディアの多くの視点から見直すことで一つの記事を多角的に捉えることができているという点だと私は思います。日本国内にいるとどうしてもトヨタの肩を持ちたくなり、またメディアの書き方もフラットではない為、本質がなかなか掴みにくいところがあります。クーリエを読む前はたまにNewsweekを読んでいましたが、その本質の捉え方のうまさに驚いたことは結構あります。ああ、なるほどこういうことか、この問題の裏にはこういう問題があるのか、そういうことが分かるという意味で外の目は重要だな、と常々感じてます。こういう書き方は世界的な規模で展開するクーリエジャポンなどにしかできないですね。こういう多角的な記事はもっともっと読みたいです。

 本号ではあと「世界が見たNIPPON」と森巣博さんの「越境者的ニッポン」が面白かったです。森巣博さんの記事はいつも衝撃的で私はとても好きです。

 最後に、編集長の古賀義章さんが今号を最後に変わられるのですね。編集部にお邪魔させていただいた時にはとても気さくにクーリエの説明をしていただきました。とても話の上手い方で、ファッショナブルな人だな、という感想でした。今後も活躍をお祈りしております。では。


総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):A


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posted by taka at 21:10| Comment(0) | TrackBack(0) | クーリエジャポン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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