読書日記171:夜を守る by石田衣良



タイトル:夜を守る
作者:石田衣良
出版元:双葉社
その他:

あらすじ----------------------------------------------
上野・アメ横通り。繁、サモハン、ヤクショの三人は、この街で暮らす幼なじみ。仕事上がりにガード下の定食屋に集まるのを楽しみに生きてる、そんないまいちクールじゃない毎日。だが、酔っ払いに息子を殺されたという老人と知り合ったことにより、アメ横の夜を守るべく「チーム」を結成することにした。痛快青春ミステリー。


感想--------------------------------------------------
 石田衣良さんの作品です。久しぶりに読みました。

 本書は「夜を守る」というタイトル通り、上野・アメ横で夜のガーディアンを勤めることになった4人のストーリーです。全8章からなり、各章で様々な事件に4人が巻き込まれて行きます。その事件は人探しだったり、ヤクザの店に嫌がらせをする犯人探しだったり、リサイクル店の手伝いだったり、実に様々です。

 本作は舞台を上野に移した「池袋ウエストゲートパーク」といえるかもしれませんね。池袋ウエストゲートパークで活躍していた何でも屋のマコトの代わりに本作ではガーディアンの隊長、フリーターのアポロが活躍します。マコトが一人で池袋の街を疾走していたのに対し、本作ではアポロ、サモハン、ヤクショ、天才の四人が上野の街を疾走します。池袋ウエストゲートパークシリーズと違って本作は四人チームですのでその掛け合いがいいいですね。いきつけの飲み屋「福屋」での会話も楽しいです。

 池袋ウエストゲートパークのノリは非常に軽快でテンポが良かったですが、本作はそこまでではありません。その分、アメ横の商店街の方々との会話がいいですね。これは池袋と上野の土地柄の違いでしょうね。こういったところで土地の違いが出ていて面白いですね。

 ストーリー自体は非常に軽いです。池袋ウエストゲートパークも軽かったですが、それよりもさらに軽く、上野で巻き起こるちょっとした事件を解決する何でも屋の話、と言った感じです。誰でもさらっと読めますが、その分あまり後に残るものはありませんね。池袋ウエストゲートパークの番外編(上野版)という雰囲気がどうしても漂います。やはり石田衣良さんの作品は"池袋"の方が似合っているのかな、と感じました。池袋ウエストゲートパークシリーズが好きな方ははまるかもしれませんね。


総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):B


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