コミック日記32:ベルセルク(34) by三浦 建太郎



タイトル:ベルセルク 34
作者:三浦 建太郎
出版元:白泉社
その他:

あらすじ----------------------------------------------
世界を手に入れようとしたガニシュカは巨大な魔獣と化しグリフィスたち新・鷹の団に襲いかかった! この決戦で世界全体が大きく変化してしまうのか!? 日本発ファンタジーの真骨頂ここに出現!


感想--------------------------------------------------
 ヤングアニマルに連載されている超人気漫画です。圧倒的な暴力と血と死の匂いを感じさせるファンタジー大作です。もう34巻ですね。早いものです。

 "鷹の団"で背中を預けて共に戦ったグリフィスとガッツ。仲間を犠牲にゴッドハンドに堕ちたグリフィスを倒す為にガッツの旅は続く・・・。

 本巻ではグリフィスたち新・鷹の団と大帝:ガニシュカの決戦のシーンがほとんどを占めます。天をも覆う巨大な魔獣と化し、圧倒的な力を得たガニシュカに対して人と手を組むことで対抗する使途たち、鷹の団。そして姿を現す幻想世界・・・。物語は新たな局面を迎えようとしているようです。

 本作、私が最も面白いと感じていたのは10巻前後の鷹の団でグリフィスとガッツが共闘しているあたりです。怒濤の勢いで勢力を拡大する鷹の団とそれを支えるガッツやキャスカたち。このあたりが物語が最も生き生きとしていたと思います。自分たちの力だけを頼りに勢力を拡大していく若者達の姿はとても輝いていたかと思います。
 一方で鷹の団が消えた後の物語はどこかその鷹の団の時代の名残をいつまでも引きずっている気がします。輝いていた時代があるから今の闇がますます濃くなるのでしょうね。そして物語は狂気を帯び始め、破壊と死の色彩はますます濃くなっていきます。

 本作で印象的なのはやはり戦闘シーンでしょう。人の身でありながら人知を超えた化物:使途達と激戦を繰り広げるガッツ。その戦闘シーンは凄まじいの一言につきます。数ある漫画の中でも戦闘シーンの迫力はNo1ではないでしょうか?
 そして、その戦闘シーンを彩る数多くの死。これでもかとばかりに人が死んでいきます。そしてその死を乗り越えてさらに多くの人間が生きていきます。「死があるから生が輝く」そんな簡単な言葉で片付けられるような死の描かれ方は、本作ではされていません。しかし生のアンチテーゼとして「死」が描かれていることは間違いないかと思います。

 しかし、この物語、どう結末に持って行くのでしょうね。もう物語もだいぶ終盤に近づいているかと思いますが・・・。神に近い圧倒的な力を手に入れたグリフィスに対して、満身創痍で常にぎりぎりの戦いを繰り広げるガッツ。このままでは勝負にならないでしょうね。そしてさらに登場したファルコニア・・・。うーん、いかに仲間がいてもガッツが勝てる見込みはほとんどなさそうですね。髑髏の騎士頼りでしょうか?読んでいて心配になります。

総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):A


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