読書日記152:ビジョナリー・カンパニー 時代を超える生存の原則



タイトル:ビジョナリー・カンパニー 時代を超える生存の原則
作者:ジェームズ・C. コリンズ
出版元:日経BP社
その他:

あらすじ----------------------------------------------
時代を超え際立った存在であり続ける企業18社を選び出し、設立以来現在に至る歴史全体を徹底的に調査、ライバル企業と比較検討し、永続の源泉を「基本理念」にあると解き明かす。



感想--------------------------------------------------
久々にビジネス書を読んでみました。本書、非常に有名なビジネス書です。本書の続編として「ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則」があります。こちらも非常に評価の高い本です。

 本書では、時代を超えて生き残り続ける超優良企業(ビジョナリーカンパニー)には共通点がある、という仮説の元にビジョナリーカンパニーと比較対象企業を比較し、ビジョナリーカンパニーの共通点を洗い出して行きます。
 選択されたビジョナリーカンパニーはソニー、フォード、ボーイングなど世界に名だたる超一流企業ばかりです。しかし比較対象企業もケンウッド、GM、マグドネル・ダグラスなど二番手ではありますが、やはり一流企業です。業界のトップに立ち続ける企業と、その後を追う二番手の企業を比較することで、一番手になるために必要な要素を洗い出して行きます。

 本書で何度も繰り返し言われていることの一つが、「基本理念」の重要性です。
 基本理念とは「お客様へ常に最高のサービスをお届けする」、「常に最先端の技術を駆使して社会に貢献する」、「最先端の医療技術を駆使して人の役に立つ」といったいつになっても変わることの無い、その会社の存在意義のようなものです。会社が岐路に立たされたときにこの基本理念がしっかりしていて、社員全員にそれが行き渡っていると、その企業は前に進むことができ、ビジョナリーカンパニーへと進化できます。
 また一方で、ビジョナリーカンパニーに「カリスマ的な指導者」は必要なく、必要なことは「優れた指導者を常に排出し続ける組織を作り上げる」こととも言っています。

 企業は結局は人の集まりに過ぎません。企業を構成する一人一人が経営理念を信じ、その達成に向けて努力する。これがおそらくもっとも大切なことなのでしょう。企業はその個人を徹底的にサポートし、努力には報い、怠惰は排除する体制を作ることが必要なのでしょうね。
 現在のような経済状況の下ではどうしても目先の利益ばかりに目が行きがちです。しかし、目先の利益を得ても、そこに信念がなく後ろめたさを感じているようではやはりダメなのでしょう。利益を超えた人、文化、理念、価値観、そういったものを大事にし続ける企業こそが、結局は最終的に生き残り、社会で認められて行くようです。逆にこういった善意的な企業が指示される社会はまだまだ捨てた物ではないとも感じました。

 本書で言っていることは非常にシンプルです。「目先の利益にとらわれることなく、信念(理念)を持って、地に足をつけて常によりよくある為に努力し続ければいつかは成功する」極端に要約してしまうとこれだけです。そしてこれは会社に限らず人の生き方にも共通することですね。
 本書ではビジョナリーカンパニーの共通点をあらいだしていますが「ビジョナリーカンパニー2」ではビジョナリーカンパニーとなるための方法論も述べているようです。いつか読む予定です。


総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):S


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