タイトル:反自殺クラブー池袋ウエストゲートパーク〈5〉
作者:石田衣良
出版元:文春文庫
その他:
あらすじ----------------------------------------------
今日も池袋には事件が香る。風俗スカウト事務所の罠にはまったサンシャイン60階通りのウエイトレス。伝説のスターが設立を夢見るロックミュージアムの真実。集団自殺をプロデュースするインターネットの“クモ男”ー。ストリートの「今」を鮮やかに描くIWGPシリーズ、切れ味がさらに増した第5弾。
感想--------------------------------------------------
池袋の果物屋の店番であり、なんでも屋であるマコトが友人達の力を借りながら数々の事件を解決していく「池袋ウエストゲートパーク
私は本シリーズが最も石田衣良さんの持ち味が生きた作品だと思います。
軽快なテンポ、時勢を切り取ったストーリー、生き生きとした人物の描写など、読んでいてどんどん引き込まれ、池袋の街をスピーディーに生きていくマコトの姿が目に浮かび、楽しくなってきます。
特に素晴らしいと思うのは各話の最初の数ページです。各話、出だしの数ページで事件の背景をマコトの口から説明していくのですが、ここの部分の掴みが抜群にうまい。読者の興味を引き、話の背景を説明しつつ、リズムの良い語り口・比喩表現でストーリーにテンポを与えて読者を載せ、あっというまに話の最後まで連れて行きます。
中でも最初の最初、出だしの一行はどの話でも秀逸だと思います。この一行にストーリーが集約されているといってもいいと思うのですが、ここの出だしはとても見事だと思います。
また、登場人物もとても個性的ですね。Gボーイズのキングで氷の男:タカシ、ヤクザのお偉いさん:サル、ファミレスを根城にする情報屋:ゼロワンなどなど、いい味をだしています。
ストーリ自体も非常に軽いテンポで書かれています。「反自殺クラブ」は自殺を食い止める若者達の戦いを描いた作品で、確かに他の作品よりは重いのですが、他のミステリものと比べると、そこまでシリアスにならずに読めます。この軽さも本シリーズの魅力かと思います。
また本作、宮藤官九郎さんの脚本でドラマ化もされていますね。主人公のマコトを演じていたTOKIOの長瀬さん、タカシを演じていた窪塚洋介さんが特に印象的でした。
現代の池袋の街をスピーディーに駆け抜けていくマコトとその仲間たちの姿はとても生き生きとしています。どんな難題にも報酬をもらうこと無く立ち向かっていくマコトの姿は魅力的ですね。そして彼らへの石田衣良さんの愛着も感じられる作品です。現在、第八作目まで出ていますので、そのうち残りも読む予定です。
総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):A
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