2009年06月24日

読書日記139:平等ゲーム by桂望実



タイトル:平等ゲーム
作者:桂 望実
出版元:幻冬舎
その他:

あらすじ----------------------------------------------
瀬戸内海に浮かぶ「鷹の島」。そこでは…島民1600人が、全員平等。現代社会の歪みを是正するために生まれた、究極の楽園。人々は、嫉妬や私欲にかられることなく、何不自由ない豊かな生活を約束されている。まさに、天国。の、はずだったー。



感想--------------------------------------------------
 織田裕二さんと柴咲コウさんが出演した「県庁の星」という映画をご存知でしょうか?本作はその「県庁の星」の作者である桂望実さんの作品です。

 本作、概要を読んだ時はその発想が素晴らしいなと思いました。「島民1600人が全員平等に暮らす島を舞台とした物語」。この発想だけでも十分面白い作品に仕上がるだろうなと思いました。
 正直、私は「リアル鬼ごっこ」の作者である山田悠介さんの作品のようなものを期待していたのだと思います。奇抜な設定の中、極限状態で生きていく人間達のドラマ、といったような作品です。でも、本作は全く別のタイプの作品でした。

 本作、あくまでも"人間ドラマ"です。
 ホラーやサスペンス、ミステリの要素は全くありません。島で生まれ育って、正義だけを信じ、憎しみや嫉妬、悔しさといった負の感情を全く持たないままに育った一人の男が人々との触れ合いを通じて、人間らしさを取り戻していく、そんな内容です。

 正直、期待していたストーリー展開と全く違ったため、かなり戸惑いました。あらすじを読んでもミステリー?って普通は思いますしね・・・。「平等に見えた島の裏には不正が渦巻いていた!」みたいな・・・。
 展開自体も非常に穏やかで、静かに展開していきます。男の両親、過去の恋人、仕事を通じて知り合う人々との触れ合いを通じて成長していく男の描き方は見事だと思います。
 ただ、ストーリー自体は少し中途半端な気がします。唐突に始まり、中途半端途中で切れて終わってしまったように感じます。終止優しい雰囲気でいい形でストーリーを勧めていただけに、これは少し残念でした。特に主人公と主人公の元彼女の関係についてはストーリーの後半にもう少し展開があってもよかったかと思いました。あと、「平等ゲーム」というタイトルですがこの意味が少し分からないですね。「平等」の意味は分かるのですが、「ゲーム」という表現はなかったので、?、という感じでした。
 全体を通じて一人称の視点なのですがその描き方は上手いです。静かで穏やかな表現が得意そうですので、恋愛小説なんかが得意な方なのかな、なんて思いました。
 「県庁の星」はどうなんでしょうね?そのうち機会があったら読んでみようかな。


総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):C


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タグ:書評 桂望実
posted by taka at 21:54| Comment(0) | TrackBack(0) | その他の著者の本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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