2009年05月31日

読書日記133:イノベーションのジレンマー技術革新が巨大企業を滅ぼすとき



タイトル:イノベーションのジレンマー技術革新が巨大企業を滅ぼすとき
作者:クレイトン・クリステンセン
出版元:翔泳社
その他:

あらすじ----------------------------------------------
顧客の意見に熱心に耳を傾け、新技術への投資を積極的に行い、常に高品質の製品やサービスを提供している業界トップの優良企業。ところが、その優れた経営のために失敗を招き、トップの地位を失ってしまうー。本書は、大手企業に必ず訪れるというこの「ジレンマ」を解き明かしベストセラーになった原著、『The Innovator's Dilemma』の増補改訂版である。
ハーバード・ビジネス・スクールの教授である著者は、この逆説的なコンセプトを、学問的体系に基づいた緻密な論理構成によって実証している。事例として取り上げるのは、ディスク・ドライブや掘削機といった業界のほかに、ホンダが進出した北米市場やインテルが支配したマイクロ・プロセッサ市場など。それぞれの業界で起きた「破壊的イノベーション」を検証し、それに対処できない大手企業の宿命ともいえる法則を導き出している。

優れた経営とされてきたものが、「破壊的イノベーション」の前ではすべて無効になり、逆にマイナスの価値さえもちうるという指摘にはただ驚かされる。その点で本書は究極のイノベーション論であり、イノベーション・マネジメントの新境地を切り開いたものとして画期的な論考である。


感想--------------------------------------------------
 ビジネス書です。この本も非常に有名な本です。「イノベーションのジレンマー技術革新が巨大企業を滅ぼすとき」。このタイトル、副題が何より刺激的です。

 刺激的なのはそのタイトルだけではありません。「利益率が高い市場、大きな市場を追い求める優良企業ほど自社の技術、イノベーションによって身を滅ぼしていく」というその内容にも驚かされます。

 本書の中では技術・イノベーションを「持続的」なものと「破壊的」なものに分けています。優良企業が追い求めるのは今の技術をより良くしていく「持続的」なものであり、市場をひっくり返すような「破壊的」な技術は優良企業であれば見向きもしない利益率の低い小さな市場から生まれてくるため、優良企業はなすすべがない、と言っています。

 この考え方は非常に示唆に富んでいると思います。大企業、特に優良企業と呼ばれる企業を左右するのは経営者ではなく顧客と株主であり、彼らの意見に沿っている限り破壊的技術によって浸食されるのを免れ得ないという、ことです。確かにその通りです。私も会社員ですが、「どのくらい売り上げがあがる?」、「市場の規模は?」といったことは必ず問われます。

 本書を読んで思ったことは、結局何か新しいことをやろうとしたら新しい会社や組織を立ててその中で独自の価値観とプロセスを構築してやっていくしかないんだ、ということです。既存の組織や枠組みの中でやっている限りはその中の価値観、プロセス、さらに日本では人間関係に引きずられて上手く行くことはあり得ない気がします。

 小さな会社を作って、運営させるーこれは簡単なようで難しいことです。何より顧客や株主の要求に背を向けることは非常に勇気のいることです。でも真に生き残れる企業はこれをずっとやり続けている気がします。面白いな、と思われる技術に先行投資をして、利益を顧みずに技術を育てるー日本企業では難しいかもしれませんが、特に海外の企業ではこういう企業が多く出てきている気がしますね。日本企業も生き残るためには考え方を変えていく必要がある気がします。


総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):A


↓よかったらクリックにご協力お願いします
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
posted by taka at 18:35| Comment(0) | TrackBack(0) | ビジネス書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/120563829

この記事へのトラックバック