映画日記20:アイ・アム・レジェンド



タイトル:アイ・アム・レジェンド
出演者:ウィル・スミス
その他:

あらすじ----------------------------------------------
ウィル・スミスが渾身の演技で放つアクション超大作!ロバート・ネビルは優れた科学者だが、その恐ろしいウイルスを食い止めるすべを知らなかった。それは誰にも封じることができず、治すこともかなわない人間が作り出したウイルス。なぜか免疫があったネビルは荒れ果てたニューヨークでただ1人生き残り、3年間毎日無線で必死に他の生存者を捜すが…。


感想--------------------------------------------------
ウィル・スミス主演の映画です。最近も「七つの贈り物」という映画で主演していますね。ハリウッドで最も売れている俳優さんの一人だと思います。

ウィルスにより滅亡した近未来の地球。廃墟と化したニューヨークで、たった一人の人類の生き残りであるネビル(ウィル・スミス)は愛犬のサムと今日も生き残りを捜していた・・・。

 本作を見てまず最初に感じたのは、「廃墟と化したニューヨークをどう作成したのだろう?」ということでした。冒頭で廃墟と化したニューヨークをウィル・スミスが運転する車が疾走する場面があるのですが、かなりの規模の廃墟と化したニューヨーク市街地を疾走していきます。セットを使用しているのでしょうか?それともCG?どちらにせよ、相当な技術が使われていることは間違いないと思います。

 本作の見所は、私はこの「廃墟と化した地球」の表現につきると思います。ニューヨークのど真ん中を歩き回る野生動物たち、空母に艦載されている戦闘機の翼の上で行うゴルフの打ちっぱなし、ニューヨークの通りを疾走するスポーツカー・・・。滅んだはずの地球、最後の人類として取り残され、愛犬サムだけが友達のネビルには寂し気な雰囲気が漂いますが、画面上にはその影は見られません。むしろ、差し込む明るい陽光、どこまでも青い海と、自由と開放感の方が感じられます。人類のいない地球は、案外いいところなのかもしれない、なんて思えてしまったりもします。滅亡したはずの地球を暗くなること無くむしろ自然に囲まれた場所として描いているこの描き方に、私は結構共感できました。
 ウィルスで滅んだ地球を描いた作品としてはブルース・ウィルスが主演の「12モンキーズ」がありますが、こちらの作品では、常にどんよりと曇った灰色が主体のまさに「死の星」として描いていましたね。人間も防護服無しでは生きることが出来ず、地下に籠って暮らしていましたし。それに比べると、私は本作の方が好きです。

 あと、本作は様々な作品の影響を受けていたり、類似点を感じたりもします。有名な「バイオハザード」や、ここでも紹介した「EDEN」に世界観は大きく通じるものがあります。特に、「EDEN」の序盤に、世界観がそっくりだと思いました。ただ、世界の切り口が少し違いますね。「バイオハザード」はサバイバルアクション、「EDEN」は人間の、人類の成長の物語であるのに対し、本作は一人の人間の生き様を描いています。ただストーリーはちょっと・・・という感じでした。上記の二作に似すぎているというか・・・。まあ、かろうじて及第点、というところでしょうか。本作は世界観を楽しむ作品ですね。

 さらに特徴的なのは本作では音楽をあまり多用していないことです。アクションシーンなどでは恐怖を盛り上げるためにおどろおどろしい音楽を流すのが一般的ですが、そのようなこともしていません。しかし一方で、視点がほとんど常に主人公(ウィル・スミス)の側にあり、主人公の側から他に移ることがほとんどないため、観客も主人公と同じように緊張して画面に見入ることになります。この音楽の使い方と視点の使い方は非常にうまいな、と思いました。

 最後になりますが、やはり本作の目玉は主人公を演じたウィル・スミスにあるのでしょう。登場人物が極端に少ない本作のような作品で主役を演じるのは相当に難しいと思いますが、実に上手く演じていい作品に仕上げていると思いました。並の俳優さんでは駄作になってしまうでしょうね。素晴らしいです。




総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):A


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