タイトル:赤い指
作者:東野圭吾
出版元:講談社
その他:
あらすじ----------------------------------------------
直木賞受賞後第一作。構想6年の後に書きあげられた書き下ろし長編小説、つい
に登場! 身内の起こした殺人事件に直面した家族の、醜く、愚かな嘘に練馬署
の名刑事、加賀恭一郎が立ち向かう。ひとつの事件を中心に描き出されるさまざ
まな親子像。東野圭吾にしか書き得ない、「家族」の物語。
『放課後』でのデビューから数えてちょうど60冊目にあたる記念碑的作品。
感想--------------------------------------------------
「容疑者Xの献身
加賀が主役、と書きましたが、少し正しくありません。本作の主役はあくまでも息子をかばおうとする前原昭夫ですね。自分の息子が起こした殺人事件をなんとか隠蔽しようとするその姿は痛々しさを感じます。殺人犯の身内、という設定は「手紙
本作で描いているのはまさに「親子の姿」です。痴呆になる親、癌で死にいく親、殺人を犯した子供・・・。親と子の絆の深さは、時にとんでもなく愚かな行為を親子にとらせます。そしてその姿を見つめる刑事:加賀の姿が本作でも非常に光ります。犯人を捕まえるだけでなく、その先の闇を暴く加賀の姿は素晴らしいですね。
痴呆の母が口紅を手に塗って赤くしたことからついた「赤い指」というタイトル。そして、最後に明かされるこの「赤い指」というタイトルの本当の意味。最後まで読むと感動が押し寄せます。「容疑者Xの献身」にも負けない傑作だと思います。長編(270ページ)ですが、あっという間に読み切りました。
加賀刑事が活躍する作品には「嘘をもうひとつだけ
しかし、それにしても東野圭吾さんの作品にははずれが無いですね・・・。ここまでハイレベルな作品を量産できるとは、本当に恐れ入ります。
総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):A
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