読書日記113:別冊 図書館戦争2



タイトル:別冊 図書館戦争〈2〉
作者:有川浩
出版元:メディアワークス
その他:

あらすじ----------------------------------------------
大好評『図書館戦争』シリーズ、スピンアウト第2弾!そんで、結局あの人たちは?これにて幕引き。


感想--------------------------------------------------
 図書館戦争シリーズの最終作品です。本シリーズが4作、別冊が2作の本シリーズもこれで終了です。シリーズ的にはとても面白かったですが、かなり若い世代(少年少女?)向けの作品かと思いました。

 本作も恋愛中心の展開ですが、スポットが当てられているのは柴崎と手塚です。本作では脇役的存在だった二人の活躍を中心に、堂上や小牧の若い頃の話、緒形の過去の話を絡めています。

 「戦争」というタイトルの割にはラブコメののりが強い本シリーズ、優しいタッチのストーリー展開、ベタ甘の恋愛模様に、はまる人は本当にはまるかと思います。ただストーリー展開がどこまでも甘いため、読んでいて気恥ずかしさを覚えることもしばしばです。大人の男性にはあまり向かないストーリーかもしれません

 本シリーズの最も素晴らしい点は、「図書館」という日常的な空間を「戦争」と絡めた点だと思います。そして、そこに不自然さを感じさせないように背景をしっかり構築し、徹底的に現実的に表現した点でしょうね。ストーリー展開は恋愛中心ですが背景がしっかりとしているため不自然にならず、違和感無くしっかりと最後まで読み切ることが出来ました。傑作です。
 次回作が楽しみです。「塩の街」に代表される自衛隊三部作のようにやはり自衛隊もの、軍隊ものを書かせると一級ですね。「阪急電車」も好きですが、またこのような軍隊ものに期待します。


総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):B


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