読書日記112:禁断のパンダ



タイトル:禁断のパンダ
作者:拓未司
出版元:宝島社
その他:第6回このミス大賞受賞

あらすじ----------------------------------------------
第6回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作。『四日間の奇蹟』(浅倉卓弥)、『チーム・バチスタの栄光』(海堂尊)など話題作を次々に生み出す、『このミステリーがすごい!』大賞の今年の受賞作は、「この10年で一番美味しいミステリー。いますぐフレンチが食べたくなる」大森望(翻訳家・評論家)、「美食というのは体に毒だ。でもこのミステリーでなら大丈夫。ごちそうさま!」香山二三郎(コラムニスト)、「まさしく美味ーこの美食ミステリーを『このミス』大賞に迎えられたことを、選考委員として誇りに思う」茶木則雄(書評家)、「グルメファンは大注目」吉野仁(書評家)と、選考委員から絶賛された★★★の美食ミステリー。新進気鋭の料理人と、鋭い味覚をもつ元料理評論家が覗くグルメ界の闇とは・・・。じっくりお楽しみください。


感想--------------------------------------------------
 「チームバチスタの栄光」が受賞したことで有名な「このミステリーがすごい!」大賞。その2008年の大賞受賞作が本作です。大賞の受賞賞金はなんと1200万円!すごいですね。

 妻の友人の結婚式に参加したフレンチレストランのシェフはその披露宴の食事の味に驚愕する。その翌日、結婚式場のすぐそばで海から刺殺体があがり・・・。

 本作、賞の審査員の方々も口を揃えて言っていますが、フレンチの味の描写が非常に的確で美味いです。読んでいるだけでお腹が空いてきます。作者の方は元料理人らしいですが、そういうバックグラウンドがないとこの描写はできない、と感じました。

 一方で事件の幕開けは非常にゆっくりとしています。最初は小さな事件?と思うのですが、後半から突然事件が加速しだし、最後には大事件に発展していきます。ただ、残念ながら特筆すべき、ここがすごい!という点はありません。平均点、といったところでしょうか。ストーリーも熱中して読んでしまうのですが、先は読めてしまいます。また、料理や美食に全く興味がない、という方にもおすすめはできません。あと個人的に好きだった点は、本作、会話が全て関西弁、というところです。この関西弁が作品に味を与えているな、と感じました。

 美食パートと言うべき、料理の描写は素晴らしいのですが、作家さんとして生活していく以上、この先ずっと料理に絡めた話だけ書いて行く訳にもいかないと思いますが、どうなんでしょう?この先の作品にも注目です。


総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):B


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