映画日記18:初恋



タイトル:初恋
出演・監督:塙幸成、中原みすず、宮崎あおい、小出恵介
その他:

あらすじ----------------------------------------------
「心の傷に時効はないから」府中三億円強奪事件・犯人は女子高生
高校生のみすず(宮あおい)は、小さい頃から孤独だ。ある日、彼女はジャズ喫茶Bの前にいた。煙草の煙が立ち込めるフロアの奥に、兄の亮、そしてその友人たちがいた。その中でも異彩を放つ男、東大生の岸(小出恵介)。
彼らと仲間になり変化を始めるみすずの生活。そして岸に対して生まれた、切ない感情・・・。
そんなある日、岸がみすずに相談を持ちかける。
「・・・現金輸送車から三億円を強奪しないか?」。
言葉を失うみすず、しかし岸の一言でみすずの気持ちは固まった。
「おまえが必要なんだ」。
そして、この計画にのめり込んでいくみすずー。


感想--------------------------------------------------
「篤姫」で大女優の仲間入りをした宮崎あおいさんが主人公の作品です。府中三億円強奪事件ーいまだに犯人の捕まらない、世紀の大事件。この犯人が実は女子高生だったー。そんな想像上のできごとでのストーリーです。

 本作、三億円事件にばかり目が行きがちですが物語の本質は60年代の大学生の青春と恋愛模様です。青春というにはどこか暗くて閉塞感を感じさせる、でもエネルギーに満ちた60年代の男女たち。どこか退廃的でもある彼らの描き方は見事ですね。

 本作、主演の宮崎あおいさんの存在感は素晴らしいですね。演技力も非常に高いと感じます。でも、その脇を固める俳優がいませんね・・・。誰か一人でも宮崎あおいさんを引き立てるベテラン俳優(例えば山崎努さんとか・・・)がいるとさらにいい作品に仕上がったのではないかと思います。

 本作の中で特に印象に残ったのはラスト近くの、宮崎あおい演じるみすずが本に書かれた岸のメッセージを見つけて一人で部屋で泣くシーンでしょうか。切なさがたまりません。本作、全体的に台詞の少ない作品なのですが宮崎あおいさんの演技力はそれを補ってあまりありますね。良作です。



総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):A


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