2016年09月03日

読書日記608:この世界が消えたあとの 科学文明のつくりかた



タイトル:この世界が消えたあとの 科学文明のつくりかた
ルイス ダートネル (著), Lewis Dartnell (原著), 東郷 えりか (翻訳)
出版元:河出書房新社
その他:

あらすじ----------------------------------------------
ゼロからどうすれば文明を再建できるのか?穀物の栽培や鉄の製錬、印刷、発電、輸送機器、医薬品など、現代生活の基礎となる科学技術をどのように復活させるのか?

感想--------------------------------------------------
本書のタイトルに惹かれて読んでみました。著者は宇宙生物学専門の研究者とのことですね。いまのこの文明が滅びたとしたら、どのようにすれば文明を再建できるのか?核戦争や致死性ウィルスにより世界が滅びた、「アイ・アム・レジェンド」や「北斗の拳」、「マッドマックス」のような世界で生き抜き、文明を取り戻すにはどうすればいいのか、が書かれています。

農業、衣服、食料、物質、材料、医薬品などなど本書に書かれている分野は非常に多岐にわたります。そしてそれぞれの分野のものをどのようにすれば獲得できるのか、作り出す事が出来るのか、が書かれています。どのような食料が必要か、効率よく耕作するにはどうすればよいか、必要な化学物質をどのように合成できるか、などが細かく書かれています。

読んだ感想として、これだけ広範な分野についてこれだけ詳細に書けるこの著者の知識はすごい、と素直に感じましたし、今の時代を生きる我々は、我々の目の前にある物質の作り方を実は全く知らないのだ、ということがよくわかります。時計、食べ物、飲み物、本、新聞、カメラ、車…。そうした様々なものがどのように作られているのか、一から作るにはどのようにすればいいのか、それらが書かれています。これらの知識を全て有している人はほとんどいないのではないでしょうか。

また一方で、本書はほとんどが文字で書かれていますので、サバイバル本、としては役に立ちにくいとも感じました。原理的な作り方はわかるのですが、図や写真がそこまで豊富ではないため、この本に書かれている手順をなぞろうとしてもできません。ものによっては文章を読むだけでは想像もつかないものもありました。

面白いとは思うのですが、化学反応に関する記述や物理、化学の知識が必要とされる箇所も多いため、総じて理系向きの本だと思いました。あとはやはり図ですね。イメージのつく図や写真がもっともっとあると、非常に面白いだろうな、と思います。分量は300ページくらいですが、専門書に近い本のため、読み終えるには結構根気がいる本でした。



総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):B
レビュープラス
posted by taka at 17:35| Comment(0) | TrackBack(0) | ノンフィクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする