2014年06月14日

読書日記488:企画は、ひと言。



タイトル:企画は、ひと言。
作者:石田章洋
出版元:日本能率協会マネジメントセンター
その他:

あらすじ----------------------------------------------
「そのアイデア、ひと言でいえますか?」シンプルだけど9割の人ができていないアイデアを発想し、カタチにする技術。



感想--------------------------------------------------
レビュープラス様から献本いただきました。いつもありがとうございます。

本書は「世界ふしぎ発見!」や「TVチャンピオン」といった名物番組の企画を担当してきた放送作家の方による「企画」に関する本です。そのタイトル「企画はひと言」がまさにひと言で表しているように、企画はひと言で分かり易く表現するべきだ、と言っています。本書は上で述べたように現役の放送作家、それも数々の名物番組の企画を実際に書いてきた人による本ですので、内容に説得力があります。文章も読みやすく、二百ページ以上あるのにあっという間に読める本です。

一言で表す「企画」ということで最初はキャッチフレーズのようなものを考えていたのですが、実際にはキャッチフレーズと企画には大きな違いがあるようです。本書の中に書かれていますが、「実現可能性」と「新しさ」という二軸で考えて、その両方を満たし、なおかつ読み手に一言で伝わるものがよい「企画」と呼ばれるようですね。またこの一言で表される「企画」には五つのS(Short、Simple、Sharp、See、Share)で表される強みがある、と書かれています。

本書で特に印象に残ったのは「物事(企画)はらせん的に発展する」という言葉です。本書では郵便と電子メールを引き合いに出して説明されていますが、企画は「これまでにあったもの」にその時代に特有な「新しさ」や「付加価値」を付け加えられることで回りまわって新しい「企画」となって戻ってくる、と説明されています。

この言葉はよい「企画」というのは完全に新しいアイデアから生まれるわけではなく、いくつもの既にあるものと、そこに何か新しいものを組み合わせることで作成されることを表しており、実際に本書ではそのバランスこそが大切なのだ、と書かれています。このあたりを読むと、「企画」というもののイメージが大きく変わってくると同時に、よい企画に必要とされる者は天才的なひらめきなどではないことがわかり、少し安堵もしますね。私自身は企画を考える立場にはいませんが、企画に関するイメージが変わったのは事実です。

「一言で言えない企画はダメ」
この言葉には共感を覚えます。もっと言ってしまうと、企画に限らず「端的に説明できない物事には何かを動かす力がない」ということかと思います。これはつまり、「その企画は本質を突いているか?」ということにも繋がってくるため、非常に重要なことかと思います。そして一言で言える=本質が明確な企画、物事は誰にも理解され易いため、すぐに人が行動に移しやすい、というメリットもあるわけですね。

様々な事柄が複雑になっていく昨今だからこそ、この「一言で表すことの出来る企画」というのは重要度を増してくるのではないかと思います。企画に限らず、「複雑な物事の本質を掴み、端的に説明する」という能力は様々な場面で役に立つ、非常に重要な能力だと個人的には思います。そして本書はその能力を習得するために必要な方法論についても書かれており、非常に有用な本だと感じました。何より、そのタイトル同様、本書も読んでいて非常に分かり易いのが嬉しいですね。

総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):A


↓よかったらクリックにご協力お願いします
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
レビュープラス
posted by taka at 21:23| Comment(2) | TrackBack(0) | ビジネス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする