2013年03月10日

コミック日記103:無限の住人(30)<完> by沙村 広明



タイトル:無限の住人(30)<完>
作者:沙村 広明
出版元:講談社
その他:

あらすじ----------------------------------------------
連載19年、国内外で熱狂的・圧倒的支持を集めてきた唯一無二のネオ時代劇、ここに堂々完結!万次、逸刀流、そして吐率いる六鬼団……最後の戦場に集いし者たちが見せる、凄絶なる命の奪い合い!深すぎる因縁とそれぞれの想いを刃に乗せ、最終決戦がついに幕を開ける!最終章で最高潮、刮目の完結巻!!


感想--------------------------------------------------
あとがきによると本作「無限の住人」の連載が開始されたのは一九九三年ということでもう二十年近くも前になります。二十年の歳月と三十巻という巻数をもって、本作も幕を閉じました。二十年の間、連載が途絶えることがなかったということだけをとっても、名作と呼べる作品ですね。もちろん内容も素晴らしかったです。

時代は江戸末期、体内に埋め込まれた蟲により不老不死の身体を手に入れた百人斬りの異名を取る卍丸は、戦闘集団:逸刀流に親を殺された娘:凛とともに仇討ちの旅に出る−。

場所は那珂湊にて、卍丸たちと、天津影久率いる逸刀流、吐鉤群率いる六鬼団、さらには無骸流まで含めた壮絶な死闘の末、ようやく全ての戦いに終止符が打たれました。最後のこの戦いだけでもこれまで活躍してきた多くの個性的な登場人物が姿を消し、やはり物語の最後らしく、寂しさを感じます。

物語の終わらせ方には色々な方向性があったと思うのですが、本作のような終わらせ方もありかな、と感じます。納得のいく終わり方かというと個人的には必ずしもそうは思わないのですが、決して否定される終わり方でもないかと感じました。

本作の見せ場はなんといっても、個性的な登場人物が繰り広げる殺陣の場面であるかと思うのですが、物語が後半に行くにつれてその殺陣の絵がどんどんよくなってきたように感じます。なにより著者である沙村広明さんの絵が、和な感じがしつつ凄絶でありながら美しく、江戸時代の殺陣の絵に凄くあっています。この絵の描き方は冬目景さんに似ているかなあ、って感じました。

物語は後半にかけて、殺人集団のように描かれていた逸刀流の本当の姿や、その逸刀流を滅ぼさんとする吐鉤群たちの動きも相まって物語自体がどんどんと複雑になり、単なる殺し合いの物語から人間ドラマ的な部分も含んだ物語になってきてどんどんと面白くなってきました。個人的には不死実験の下りを読んでいた頃は、少し長すぎて冗長だなあ、と感じていたのですが、最後は怒涛のような終わり方ですね。非常に満足です。

個性的で味のあるキャラクターがたくさん出ていた本作ですが、個人的には逸刀流当主:天津影久とその恋人、槇絵の二人がよかったです。女性であり、さらには病を患いながらも本作で最強だった槇絵と、どこまでも己の信念を貫き、槇絵には劣りながらも物語中では屈指の剣士だった影久。ただ悪役だけに最後は結局こうなるのか、、、とも感じましたが、本作になくてはならぬキャラクターでした。

凛と卍丸の描き方もよかったのですが、少し最後は悲しかったですね(特に凛が・・・)。偽一や百琳、凶載斗などの描き方は最後まで好きでした。ぶっとんだ個性を持ったキャラクター同士が派手な剣技を繰り広げつつも、すごくドラマのあるいい物語でした。


総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):S


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posted by taka at 00:16| Comment(0) | TrackBack(0) | コミック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする