2012年04月18日

読書日記342:恥知らずのパープルヘイズ ージョジョの奇妙な冒険よりー by上遠野 浩平



タイトル:恥知らずのパープルヘイズ ージョジョの奇妙な冒険よりー

作者:上遠野 浩平 (著), 荒木 飛呂彦 (著)
出版元:集英社
その他:

あらすじ----------------------------------------------
舞台は第5部完結の半年後。“裏切者”パンナコッタ・フーゴのその後どうなったのか。


感想--------------------------------------------------
ジョジョの奇妙な冒険」と言えば、荒木飛呂彦さんの名作です。作家さんの中にもファンが多いようで、乙一さんや西尾維新さんが外伝的な作品を書いていますが、その中でもAmazonでの評価が高かったのが、上遠野浩平さんによる本作です。

ボス:ディアボロの脅威に怯え、ジョルノやブチャラティたちを裏切ることになったフーゴ。そのフーゴにジョルノがボスとなった新生「組織」が裏切り者である「麻薬チーム」の壊滅を命令する−。

本作の舞台はジョルノ・ジョバーナが主人公となる第五部の、その後です。組織のボスの娘トリッシュを守りきり、ボス:ディアボロを倒すことで新しい組織のボスとなったジョルノ。そして物語の途中でジョルノたちを裏切ることになったフーゴ。原作ではフーゴはジョルノたちを裏切ったところでそのまま消えてしまい、確かに読者としてもその後が知りたいところでしたので、着眼点はいいなあ、と思います。

本作にも幾人ものスタンド使いが出てくるのですが、そのほとんど全てが本作のオリジナルです。スタンドの能力も物語自体の構成も原作に負けず劣らず独創的であり、舞台となるイタリア、シチリア島の風景なども含めていかにもジョジョらしいつくりです。読んでいると、そのままこの物語が荒木飛呂彦さんの原作で漫画化されて、眼の前に浮かんでくるようです。

さらに内容も非常に濃いですね。第一部、二部の石仮面や第四部のスタンド使いも少しですが絡んできたりして、原作ファンは十分に楽しめるのではないでしょうか。またフーゴの内面描写も非常に深いです。原作を踏襲しながら各人のキャラクターを深く掘り下げ、仲間を裏切らざるを得なかったフーゴの心理を深く描いて行く−。いいですね。ジョジョファンならかなり満足のいく作品になっているかと思います。

一方で難点を挙げるとすると、本作はあくまで「原作のジョジョの延長」ですね。作者である上遠野浩平さん独自の脚色はあまり多くないように感じられました。(これは私が上遠野浩平さんの作品を読んだことが無いため、そう感じるだけかもしれませんが)荒木飛呂彦さんのジョジョを描きつつその先の著者のオリジナリティのようなものを求めている読者にとっては少し物足りないかもしれません。確かに面白いのですが、ジョジョのエピソードが一つ追加された、という印象が抜けきれないんですね。

難点も書きましたが物語としては非常に面白いです。特に、読者であればきっと誰もが気になっていたフーゴのその後を書いて、いい形で完結させてくれたのは嬉しいですね。さて西尾維新さんや乙一さんはディオやプッチ神父を描いたりもしているようですが…、私は個人的には五部のジョルノ編や六部のジョリーン編が好きなので、このあたりについて書いてくれないかなあ、と思います。アナスイとか、承太郎のその後とか。ディオは、ジョジョではどの話でも揺るぎ無い存在感を放つキャラクターなので、外伝として扱うには難しそうですね。


総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):A


↓よかったらクリックにご協力お願いします
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
レビュープラス
posted by taka at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | JOJO | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする