2009年08月09日

読書日記147:少女 by湊かなえ



タイトル:少女
作者:湊かなえ
出版元:早川書房
その他:

あらすじ----------------------------------------------
高2の夏休み前、由紀と敦子は転入生の紫織から衝撃的な話を聞く。彼女はかつて親友の自殺を目にしたというのだ。その告白に魅せられた二人の胸にある思いが浮かぶー「人が死ぬ瞬間を見たい」。由紀は病院へボランティアに行き、重病の少年の死を、敦子は老人ホームで手伝いをし、入居者の死を目撃しようとする。少女たちの無垢な好奇心から始まった夏が、複雑な因果の果てにむかえた衝撃の結末とは?


感想--------------------------------------------------
 「告白」がベストセラーとなり、本屋大賞を受賞した湊かなえさんの作品です。湊かなえさんの作品は本作と「告白」、「贖罪」が出版されています。

 本作、湊かなえさんらしい作品です。主人公だけでなく脇役も含めた登場人物が皆、微妙に関連を持っていて、そこから新しい展開が引き起こされていきます。そして各登場人物の微妙な「すれちがい」と、後味の悪い終わり方が「告白」に似ていますね。本作は"遺書"からスタートし、第一章〜第六章(終章)までと、"遺書・つづき"で完結しています。そして最後の最後で意外なつながりが分かる展開になっています。

 本作、そのタイトル通り、二人の「少女」由紀と敦子が主人公です。表面上は親友らしく見えつつも、心の奥には厚い友情の他にも互いへの嫉妬や羨望といった複雑な感情が渦巻く二人。ちょっとしたことですぐに傷つき、感動し、かと思えば取り返しのつかないことを平気で行おうとする少女たち。
 老人ホームで出会うおっさん、病院で出会う少年、彼らとの関わりを通して二人は友情を取り戻し、自分の周りに広がる広い世界に気付いていきます。しかしその一方で彼らの行動が思わぬ悲劇をも生んでいきます。傷つきやすく感受性が強い一方で他人を平気で傷つけてしまう少女たち。その描き方はさすがに上手いですね。

 構成は素晴らしいです。いろいろな人々の微妙な関連性が張り巡らされていて、ああこうなっていくのかと驚きも感じさせます。しかしその一方で二人の少女の心の動きがメインとなるため、「告白」ほどのミステリーとしてのインパクトはないかな、と思いました。
 ページ数は300ページ弱ですが、あっという間に読み終わります。「告白」のような後味の悪さが問題ないなら読んで損は無いかと思います。


総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):A


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posted by taka at 13:02| Comment(1) | TrackBack(3) | 湊かなえ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする