2008年04月05日

読書日記51:少女には向かない職業



タイトル:少女には向かない職業 (創元推理文庫 M さ 5-1)
作者:桜庭一樹
出版元:創元推理文庫
その他:

あらすじ----------------------------------------------
 あたし、大西葵13歳は、人をふたり殺した・・・・あたしはもうだめ。ぜんぜんだめ。少女の魂は殺人に向かない。誰か最初にそう教えてくれたらよかったのに。だけどあの夏はたまたま、あたしの近くにいたのは、あいつだけだったから―。これは、ふたりの少女の凄絶な<闘い>の記録。


感想--------------------------------------------------
 「私の男」で直木賞を受賞した桜庭一樹さんの作品です。あらすじにも書いてある通り、ふたりの少女の闘いの記録、です。

 主人公の大西葵は人を殺してしまう殺人者なのですが、それと同時に普通の中学生でもあります。友人関係に悩んだり、男友達とゲームをしたり、その男友達にちょっと恋心を感じたり・・・。そんな等身大の女子中学生が人を殺してしまい、なおかつそのまま中学生として普通に暮らしていく・・・。そんな「日常生活の隣にある異常(殺人)」の描き方がうまいなあと思いました。

 ”バトルモード”に入って、どこまでも残酷になってしまう葵と、普通の明るい女子中学生の葵。こういった二面性は人間なら誰しも持っているものだし、そう考えると誰しも殺人者になりえるのだと納得してしまいます。

 あと、女の子の心理描写がやはり女性の作家だけあってうまいと思います。殺人者なのにとても純粋で友情にあつい二人の少女、大西葵と宮乃下静香に13歳という若さならではの輝きも感じましたが、一方で、とても純粋で輝いている一面を見せつつ、不条理で退廃的で打算的でどこまでも残酷な一面を持つ”少女”の危うさ、怖さを見事に描いていると思います。”少女”は”少年”よりもよっぽど怖いですね・・・。

 この方の作品は直木賞を取っていらい興味を持っています。上記の「私の男」や、「赤朽葉家の伝説」などはぜひ読んでみたいですね。

総合評価(S・A・B・C・D・Eの6段階評価):B
posted by taka at 23:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 桜庭 一樹 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする